(オメガバースアンソロジー)ましゅまろさんインタビュー

ましゅまろさん先生インタビュー

略歴

11歳の頃、仲良くなった子の所にお泊りにいったところ、「読む?」と言われてBLノベルを渡され、すっかり腐女子&オタクになり、大人になった今ではもう沼の最深部に
固定されています。
13歳から小説は書いていますが、当時は恋愛じゃなくて今で言うライトノベルを書いていました。ネットが今みたいにありませんでしたので、活動はオフのみでした。

二次の同人歴が10年以上あるくらいで、目立った経歴はありませんが、以前は個人のPBCのGMとして世界観を作成して運営していたり、現在は企業運営のPBWのGMを
務めて、小説やリプレイを書いています。

アンソロジー執筆に際しての思い出

入院した事です……。ご迷惑をおかけしました。
今年ずっと体調が悪く、今これを書いている時もインフルエンザA型真っ最中です。

主な活動場所

ムーンライトノベルズ、fujossy、pixiv

告知

今回のオメガバースを機会にムーンライトノベルズ様、fujossy様にて今後は活動予定です。
セオドリック×アレクの、セオドリック視点の出会いから本編後までの連載を現在は行っている他、この世界観のシリーズ小説を年明けから連載いたします。
事情があって、fujossyの連載がストップしていますが、年明けに再会します。
pixivでは、小説投稿サイトでは下品過ぎて掲載できないBL小説をこっそり連載予定です。

@masyumarox10
(BL関係専用垢です)

インタビュー限定SS小説

「どうしよう」
 親父の言葉に、俺と、妻であるユキは、顔を見合わせた。
 しかし、それは驚愕と言うよりは、「ああ、やっぱり」と言った納得の表情である。
 弟であるアレクが、先日オメガへと突然変異した。
 普通バース性は一度確定したら覆らないのだが、まれにあるのである。
 しかし、確かに我が家の大事件だったが、俺たちの「納得」はこの件に関してではない。
 親父が持っている手紙に書かれた内容に対してである。
 俺もユキも、おそらく親父もこうなることは想定の範囲内だったからだ。
「言いにくいですが、お義父さん、断るのはちょっと難しいんじゃ……」
 言いにくそうにユキが言うと、親父も「そうだよな」と肩を落とした。

 手紙の内容は、早い話が「アレクを嫁にくれ」と言う内容だ。しかも、2通。
 弟はアルファだった頃は、別段もてる奴ではなかった。
 容姿は決して悪くはないのだが、総じて控えめであり、派手な容姿が好まれる傾向にある最近の風潮にはそぐわない。
 背は高いが男らしい雰囲気ではないのも、オメガや女性には不人気だったらしい。
 それでも全く声がかからないわけではなかったが、オメガになってしまった以降は一切声をかけられる事が無くなった、と本人が家で愚痴を零す様になった。
 本人は「そりゃ、俺みたいなでかい男抱こうなんて言う物好きいないですよね」と苦く笑っていたが、そうではない事を一部の人間は知っていた。

 アレクはもてないのではなく、もてていたが、その芽がすべて摘まれていただけなのだから。
 正確には、アレクを抱こうとする奴らの芽、限定だったが。

 
 手紙の差出人の一人は、レイトン・ロレンツァ伯爵。
 俺とアレクは、彼とは幼馴染だ。
 レイトン伯爵は、アレクの一つ年上のアルファの男で、かなり屈強な肉体の美丈夫である。
 こいつは幼い頃からアレクにべたぼれであり、バース性が発覚する前は、一切アレクに男を近づかせなかったくらいだ。
 執着心も独占も激しすぎて、俺にさえ威嚇してくる程だったので、俺や事情を知っている俺の友人たちは、「いつか、強姦するのではないか」と内心心配していた。
 だから、アレクがアルファだと判明した時、俺は心底ほっとしたものだ。
 オメガだったら速攻手を出されていただろうし、ベータだった場合も多分手を出されていたが、アルファだったので踏みとどまったのは見ていてわかった。
 様々な問題から、レイトンは仕方なしに奥方を複数娶ったが、彼女たちとは友情婚であるのは見ていて明らかであり、アレクのバース性がアルファと発覚後も、「お前に結婚相手が見つからない場合は仕方ないよな」
 とアレクに言っているのを聞いた時は「あ、これはまずい」と思ったものだ。
  

 そして、もう一人は、ミスターヴ国の王である、セオドリック様である。
 弟との付き合いは十年ほど。
 容姿端麗な色男で、男女問わずもてまくり浮名を流していたが、近しい者は皆、セオドリック様の本命がアレクな事は知っているくらい、こちらもべた惚れだった。
 どんな事においてもアレク優先だし、アレクが望めば何でも叶える姿は、うちの国では周知の事実となりつつあった。
「アレクは、あれなのかな、厄介なイイ男に好かれるのかね?」
「私にはアレの良さは分かりませんが、現実アレに粉をかけてくるのは、確かにかなりの上物ばかりですね」
 
 二人ともタイプは違えど美男子だし、金銭的にも裕福、そして二人とも前線で戦えるほどの実力者である。
 
 アレクももうすぐ三十に届く年齢となるため、婚姻を考えなければならないのは事実である。
 オメガである以上は、アルファと番うのが一番だ。
 他のバース性ではいけないという訳ではないが、越えなければならないハードルが低いのはアルファ相手だからだ。
 それに、この二人が介入している以上、おそらくながら相手は二人のどちらかしなないだろう。
 二人が今更外野を許すとは思えないし、何より二人に喧嘩を売る度胸のある奴もいない。
 親父もそれは分かっているのだろう。
 ただ、息子であるアレクにとって、二人のうちどちらが良いのかを考えていて、決められないのである。

 レイトンの所に嫁いだ場合、第五夫人という扱いになる。
 まぁ、事実上の本妻になるのだろうが、アレクが唯一に拘っているのは俺たちも知っているので、複数の妻と言うのは懸念事項ではある。
 何が怖いって、うっかりアレクが嫁いだ後にそんな不満を漏らそうものなら、あの男は他の妻を切り捨てかねないからだ。
 切り捨てると言っても彼女たちの不利益にはならないようには配慮されるだろうが、醜聞にはなるだろう。
 伯爵と言う地位はそこまで貴族位の中では高くはないが、それでも貴族であるので、そんな展開は避けたい。
 ただ、アレクが国内で暮らせる事、家族と頻繁に会えると言うのは大きい益ではある。

 セオドリック様の所に嫁いだ場合、まず国を出て、遠い地へと行かなければならない為、家族と会うのは中々難しくなる。
 それに他国の王宮での慣れない暮らしが、アレクに合うかもわからない。
 辛い思いをさせてしまうのであれば、国内であるレイトンへ、と親父は思ったのだろう。
 王であるので、今後は側室などが現れるのだろうと親父は心配していたが、たぶんあの方はアレクと結婚したら他は娶らないと思う。
 誰を相手にしても熱情の灯らないあの瞳が、アレクを見る時だけ燃えるように熱くなるその様は、一過性の情熱には見えない。

 正直に言えば、俺とユキは、セオドリック様をアレクの結婚相手にしたいと思っている。
 アレク自身は無意識だが、たぶんセオドリック様に惹かれているからだ。
 恋愛感情とは断言はできないが、意識しているのは確実だし、おそらくセオドリック様に愛を囁かれれば、あいつは絶対にあの方を好きになると思う。
 今の段階でも俺としては相当セオドリック様のアレクに対する態度はあからさまに見えるのだが、弟は一切気づいていないのが問題ではあるが。

 それに、正直な話……。
 レイトン伯爵と結婚した場合は、性格の問題もあってレイトンの方が色々と強気だろうし、力関係もそのままになる。
 彼は俺様な性格をしているし、やることもやや強引なのだ。
 半面、セオドリック様の場合、多分アレクの方が強気に出れる。
 なにせ、セオドリック様、アレクの押しにはすぐに屈するからだ。
 喧嘩をしても、その仲直り方法を見れば明らかだ。
 セオドリック様が絶対に折れているのである。

 それもあって、俺はセオドリック様の方が良いと思うのである。
「しかし、なぁ」
 父はそれでも決められないのだろう。
 結局、この日の話し合いは何の実りも結ばずに終わってしまい、それから毎日話し合いが設けられても、一向に話しは纏まらなかった。
 
 その後。
 俺たちがうだうだやっている間に、痺れを切らしたセオドリック様が、国家間での婚姻を申し込んだと知らされるのは、それから十日後。
 そして、終にアレクがセオドリック様と結婚し、この三角関係は終わったと思ったのもつかの間、レイトンは諦めておらず、この後も延々とこの三角関係は続いて行く。
 結局アレクは、一切レイトンに振り向くことはなかったが、この三人の関係は、驚くべき事に死ぬまで続いたのである。

編集部より一言

体調不良で大変ななかでしたが、諦めずに最後まで書ききってくれてありがとうございました!途中、二、三回ほど原稿が消えてしまったりと色々なことがありましたが、ましゅまろさんに参加いただけて良かったと思っています。大変にお疲れ様でした!